bobourata

脚本の勉強をしています。見た作品の事とか考えてる事を書くと思います。始めたばかりです

小川洋子さんの「アンネ・フランクの記憶」

今日は、好きな本を紹介します。
 
小川洋子さんの書かれる文章は、背伸びした感じも何かを意識したり演じたりしてる様子もない、素直な言葉にあふれているので好きです。
 

特に好きなのは、「アンネフランクの記憶」。

f:id:bobourata:20161208231346j:plain

この本はエッセイなのですが、タイトルの通り、生前のアンネに触れるため、著者の小川洋子さんが、アンネにまつわるゆかりの地、生まれた時に住んでいた家から、通っていた学校、隠れ家、そして亡くなった強制収容所までを巡った旅の思い出を記したものです。

日記から感じるアンネは身近な存在だけど、生きる自由を奪われたアンネが感じた苦しみや怒りは想像もできません。何度読んでも、小川さんとアンネの人生をたどりながら、生まれた時代が違ったらアンネはどんな人生を送ったんだろうと、アンネの死を悔やんでしまいます。アンネの人生は今こうやって歴史に残っていますが、アンネのように悔しさや怒りを抱えながら亡くなっていった命は何百万とあることも、突きつけられる本です。

 
この本を読んで、一番衝撃を受けたのは、ユダヤ人は写真を撮ることも禁止されていたため、アンネの写真は13歳の時のものまでしかないという話。
アンネが暮らしていた隠れ家には、アンネと姉のマルゴーの身長の記録が刻まれた柱が今も残っていて、そこに記されたアンネの身長は、連行される直前には160センチ以上もあって、アンネたちのお世話をしていた関係者の証言によると、15歳になった頃のアンネはモデルのように綺麗な女性になっていたんだとか。
 
私がこれまで見てきたアンネの写真って、どれもあどけない少女という印象のものばかりだったので、写真を撮る自由も奪われるって、なんて残酷なんだろうと、改めてアンネの生きた人生について考えさせられました。
 

この本を読んで、今この時代に生まれて、誰からも邪魔されることなく自由に生きられていることにもっと感謝しないといけないし、だからもっとちゃんと生きなきゃいけないなと実感しました。