読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

bobourata

脚本の勉強をしています。見た作品の事とか考えてる事を書くと思います。始めたばかりです

映画『牝猫たち』を見ました


ロマンポルノのリブート・プレジェクトの1作で、監督と出演者の名前を見て、ずっと楽しみにしていた作品です(『風に濡れた女』もかなり気になっていたけど、見事に見逃してしまった泣)。

 

風俗嬢として働く3人の女性が、それぞれの事情を抱えながら生きている姿を描いた群像劇です。
 
誰かと生きていくって、どういうことなんだろうって分からなくなっている人が、身近な人とふれあう中で答えを探している物語だなと思いました。
途中までは、見ながら「これ、最高傑作なんじゃないの?」とドキドキが止まらなくなるほど、物語や登場人物たちの素晴らしさに感動しっぱなしでした。
女性の声にならない不安や痛みみたいなものが映像にすごく出ているから、主人公3人が発する台詞にいちいちグッときてしまったし、3人がとても美しいから、見ていて楽しかったです。
でも、終盤の展開には理解しきれなかった部分がいくつもあって、映画を見て数日経った今でも、映画のことを思い出しては色々考えてしまいます。
『牝猫たち』は、「リブート・プロジェクト作品の中で最もロマンポルノらしい作品だ」って絶賛している人が多かったのですが、私はロマンポルノを1作しか見たことないから(『色情めす市場』ってやつです)何がロマンポルノらしいのか分からなかったので、もっと昔のロマンポルノを見てみたら答えが見つかるのかな、という気もしてきました。もうしばらく、答え探しの旅が続く気がします…(『色情めす市場』のDVDを持っているので、近いうちに見返そうと思います)。
 
でも、映画を思い出して考え事をしているうちに、最近読んだ雨宮まみさんのある文章の一節を思い出しました。
 

“ひとは誰かに自分を、認めてほしいのでも褒めてほしいのでもなく、「確かめてほしい」のだと思う。”

『わたしたちの猫』 推薦文 雨宮まみ | ナナロク社 より抜粋。この『わたしたちの猫』という詩集は、文月悠光さんの作品です(福間健二監督作『あるいは佐々木ユキ』の劇中で、詩を朗読しているの見て知った作家さん)。とっても素敵な詩集なので、ぜひ読んでみてください。

 

私はこの映画を見終わった後、これは『ショートターム』と同じ枠に入る映画だな、って思ったんです。扱ってる題材も物語の内容も全然違うんですけど、物語の底の方にあるメッセージに似たものを感じました(わかる人はわかってくれるはず)。まみさんの言葉には、私が『牝猫たち』を見て受け取ったメッセージが詰まっていると思いました。
 
 
様々な問題を抱えていても、生きづらいと思う世界を自分なりに必死に生きようとしている人の物語は、見た後不思議な元気をもらえるから好きです。
 
急に個人的な話になりますが、
日曜日の夜の回を見に行ったんですけど、鑑賞後、一緒に見に行った子とあーだこーだ映画の話をしながら夜の街を歩くのが本当に楽しくて、こんな嬉しいことないなって、身近にいる人の存在をとってもありがたく感じました。『牝猫たち』は、そんな気分にさせてくれる映画でした。
映画を見た後、外に出たら目の前の景色が変わったいう体験、久しぶりにした気がします。
 
今週末で新宿での公開が終わってしまうなんてもったいない、たくさんの人に届いて欲しい作品です。
見てない方も、何とかしてぜひ見て欲しいです。
 余談ですが、
『牝猫たち』は全編アフレコで作られているので、昔の映画を見ている気分になる楽しさもありました。特に、主人公3人が働く風俗店の店長のハイテンションなお芝居シーンは、口の動きと台詞が全然合ってなくて、その感じがとても良くて、『女は度胸』の渥美清を思い出しました。